流星ワゴン 美代子の結末はどうなってる?
◆美代子の結末は?
ドラマ「流星ワゴン」の美代子の結末を
知りたい方はたくさんいると思います。
もちろん小説を読めば
はっきりと分かるのですが、
ドラマ「流星ワゴン」での美代子は
原作の美代子とは違います。
似ているところも、もちろんありますが、
家族向けのドラマに編集されているので
浮気や不倫、その他あれの描写などが、
まだ予想するしかありませんが、
入っていないのではと思います。
そんな美代子の結末は、
ドラマではまだわからないものの、
原作ではすでにわかっていますので、
こちらでは原作の美代子の結末について
少し書いてみたいと思います。
◆原作の美代子のこと
原作「流星ワゴン」は重松清さんが
描かれた小説になりますが、
美代子の登場回数はそう多くはないのに、
美代子の存在が結構大きいです。
それは一雄の心の中心に
美代子がいるためであり、
美代子との関係を修復しようと
もがいている物語という側面もあるので、
それは当然のことだと思います。
また忘れてはならないのが、美代子は
数少ない女性の登場人物の一人です。
ドラマでは、妹、母、第5話に登場する
健太のお母さんやその友人が
登場するのですが、原作では、
妹と母のセリフはほんとごくわずか、
健太のお母さんはセリフ無し、
健太母の友人は存在しません。
このように女性が少ない物語であると
いうことは著者の重松清さんも
あとがきで認めているところです。
だからこそ美代子が目立つんですね。
そしてその特異な性格から
ますますミステリアスになっていくのだと思います。
◆原作の美代子の結末について
原作での美代子の結末は
いったいどうなっているのでしょうか。
過去の中の美代子は未来にはあまり影響
しないので、結果だけを書きたいと思います。
結局、美代子に離婚届を突きつけられた
一雄は、最後には美代子をよりを戻します。
ドラマでは離婚届は書留(?)で
送りつけられましたが、原作では、
美代子が頭を下げて一雄に判を押すように
泣きながらせまります。
お願い、お願い、判子捺して、お願いします、と泣きながら頭を何度も下げた。出典:重松清「流星ワゴン」
送りつけられても、直接せまられても
一雄にとってはまさに地獄。。
一時はこんな状態でしたが、最後は
美代子と広樹と3人一緒に朝食を取る
までになったとのことです。
(恥ずかしながら私よりすごいと思います・・・)
美代子は朝食、一雄はコーヒー係、
広樹も家庭内暴力はおさまって、
夜も12時前には寝るようになったとのこと。
いわゆるハッピーエンドでしたが、
やはり美代子は過去にあった一雄とのことは
覚えておらず、でも、記憶の奥底では、
何かがあったことを覚えているような
そんな表現を小説ではしています。
それは、一雄がワゴンから降り、
現在に戻って、家の大掃除、広樹との会話
を経て、朝帰りした美代子を駅まで
迎えに行くシーンで描かれています。
「なんか……よくわからないんだけど、前にもこんなふうに、あなたが駅まで車で迎えに来てくれたこと……いつだったか思いだせないんだけど、あった?」出典:重松清「流星ワゴン」
でもこの時美代子は、
男と夜を共にした朝帰り。
それを小説内でも一雄は承知した上で、
美代子の手を取り、一緒にこの先
やり直していこうという結末になっています。
そしてちゅうさんが亡くなり、
一雄は次の就職先へ面接が決まります。
その後、小説は一雄のナレーションで
終わるといった結末です。
◆美代子に一抹の不安
やはり読者は私と同じように
美代子と一雄の今後について心配になるでしょうね。
でも小説をよく読めば
美代子の病気が少しは改善されていることが
わかります。
それは、美代子が外泊をしなくなった
という下りにも現れています。
でも、外泊はなくなっても
昼間でも関係をもつことは出来るのだし
まあ、そう考えると心配事は色々とあるのですが、
まずは美代子が良くなっている状態
ということが一番の救いです。
一雄が最後に話しているように、
全く良くなったわけではないということから
きっと小さい問題などは色々と
引きずるのだろうと思います。
それでも家族皆で生活しなければならない
理由と責任を一雄はワゴンの中で
勉強したのかな~なんて思います。
私はまだ死にたくはありませんが、
ワゴンに乗って自分の過去の真実を
見てみたいものだと思いました。
コメント 0